発言通告者に順次発言を許します。
2番
川本和弘議員。
〔2番
川本和弘議員登壇〕(拍手)
◆2番(
川本和弘議員) おはようございます。
公明党の川本和弘でございます。会派を代表して一般質問をさせていただきます。しばらくの間,御清聴のほどよろしくお願いいたします。
初めに,令和3年8月大雨災害について質問をいたします。
令和3年8月11日から21日頃にかけて,西日本,東日本の広範囲で記録的な大雨となり,土砂崩れや河川の氾濫の災害により,お亡くなりになられた方々に対して衷心より御冥福をお祈りいたしますとともに,被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。そして一日も早く日常を取り戻されることを祈念申し上げます。また,避難所の開設に当たり,
地域自主防災会を含む関係者の皆様,そして
被災地復旧のために御尽力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。
さて,このたびの8月11日から25日の大雨では,平成30年7月の
西日本豪雨の雨量を各地で上回り,特に安佐南区祇園・山本の計測所では累加雨量794ミリを計測,気象庁のデータによると,広島市の
年間降水量は1,572.2ミリであることから,この2週間で何と
年間降水量の半分を超えたことになります。こうした局地的大雨は近年,全国各地で恒常化しています。その上で,
土砂災害特別警戒区域の多い本市にとって,市民の命と暮らしを守るための防災・減災対策を着実に講じるためには,国・県・市の連携が大事になります。我が公明党も地方議員と国会議員のネットワークを生かし,本市の防災・減災対策の強化に向けて尽力してまいります。
さて,これまでの災害を振り返ってみますと,市民の生命と財産を脅かす
土石流対策には砂防堰堤が有力ですが,これは国や県が担う事業であり,本市は直接事業に関わることはできません。
そこでお尋ねします。本市として整備を一層促進するため,どのような側面的な取組が考えられるか,お聞かせください。
次に,国が主導する防災・減災の取組の一つに
広島西部山系直轄砂防事業があり,平成26年8月豪雨災害では,国・県・市が連携して復興に取り組み,昨年8月に砂防堰堤や治山堰堤など,計99か所の
土砂災害対策施設が完成しました。
そこでお尋ねします。本市域において国が整備した砂防堰堤は何基になりますか,お答えください。
さらに今回の大雨において,砂防堰堤が土砂や流木を防いだことや,また堰堤を乗り越えた土石流を遊砂地が受け止め,住宅団地への流出を防ぐことができたなどの事例を何か所かで聞いています。改めて,今回の大雨による土石流の流出を防いだ堰堤はどの場所か,お聞かせください。
次に,砂防堰堤と同じように,土砂の流出を防ぎながら森林に戻す目的の治山堰堤があります。しかし,今回の大雨において,ある治山堰堤では土砂や流木が堰堤を乗り越え,民家に押し寄せる被害も出ています。治山堰堤の性質としては,堰堤に土砂がいっぱいになることにより森林を保全し,その目的を果たすことができると言われていますが,一方で,これまでの大雨により谷から土砂や流木が堆積していることで,近隣住民の方からは撤去を求める相談もいただいています。
そこでお尋ねします。現在,本市には広島県所管の治山堰堤が何基設置されていますか。また,治山堰堤への土砂や流木の堆積状況によっては,土砂の撤去や堰堤の補強なども必要と考えますが,県はどのように対処していくのか,本市が把握していれば教えてください。
また,今回の大雨で鳴谷川の急峻な谷から土石流が発生し,下流域に住む方々は,今後の大雨によりまたいつ土石流が起こるか,心配をされています。
そこでお伺いします。今後,この鳴谷川における対応について,どのように考えられているのか,教えてください。
さて,広島県の
農業用ため池数は全国で2番目に多くあり,ため池の下流域で生活されている方々は大雨の際にため池が決壊しないかと心配されている声もお聞きします。しかし,その反面,今回の大雨では砂防堰堤を越えた土砂がため池に流出したものの,そのため池が土砂をせき止め,堰堤の役割を果たしたことにより,下流への被害を軽減させ,災害を免れたところもあると聞いています。このようにため池には減災効果もあると思いますが,一方で利用されなくなり放置されると,堤体が脆弱になることにより決壊するリスクも上昇するのではないかと懸念しています。
そこでお尋ねします。現在,本市には
農業用ため池が何か所ありますか。また,農業用として使用していないため池数は把握されていますか,お答えください。
さらに,使用していないため池については,防災・減災上の観点から適切に管理していくことが重要と考えます。本市ではどのように対応していくのか,御見解をお聞かせください。
本年7月3日,静岡県熱海市で梅雨前線の大雨による土石流が発生し,死者26名,
行方不明者1名という大惨事が起きました。お亡くなりになられた方々に衷心より御冥福をお祈りいたします。そして被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
この土石流の原因について,静岡県副知事は7月13日,土石流の起点周辺の開発行為を行う際に必要な防災工事が行われていない違法な盛土が災害の原因であると発表されました。森林において土砂を埋め立てるなどの開発行為を行う場合,森林法に基づく
林地開発許可が必要であると聞いています。
そこでお尋ねします。本市域内において現在,
林地開発許可に基づき開発行為を行っている件数は何件ありますか。そのうち,土砂埋立てを目的とした件数は何件ありますか,お聞かせください。
本市が林地開発を許可した周辺にお住まいの皆様が,熱海市で起こったような土石流の発生や法令に違反する盛土の行為などに不安を感じられています。
そこでお尋ねします。
林地開発許可の内容が適正に行われ,安全に施工されているかを確認するため,本市として
林地開発許可後に現地調査を行うのでしょうか,教えてください。また,先日の大雨の際に,
林地開発許可に基づき開発行為を行っている箇所において土砂災害は発生していないのでしょうか,お聞かせください。
次に,特色ある
小中一貫教育校の周知の強化についてお伺いします。
昨年度から本市は中山間,島嶼部に位置する似島,戸山,
阿戸小・中学校を
一貫教育校としてスタートしました。この3校の特徴は山,川,海の豊かな
地域自然環境を生かした教育にあります。また,少
人数クラスの教育や地域の方々とのつながりを深めながら,地域に親しみ,知ることで郷土愛を育む
人間教育環境も特徴の一つであります。
さて,本市では,その恵まれた自然を生かした体験活動を通して,児童に豊かな人間性,自然を愛する心,他人を思いやる心を養うことを目的に,いきいき
体験オープンスクール事業を平成10年度から
似島小学校と
筒瀬小学校において,また,平成12年度からは
似島中学校を加えて実施しています。各校とも,それぞれの地域の特色を生かした
自然体験活動を教育課程の中に位置づけて行っています。
例えば,
似島小・中学校共通の活動として,農業体験,
プールカヌー体験,
全校磯釣り大会,
ミカン狩りを,さらに中学校ではアメリカ・オレゴン州のマウントテーバースクールとの交流や漁業体験,ローボートで
似島一周体験,そして庄原市の
高野中学校と
スキー体験を通じた交流を行っています。また,
筒瀬小学校では米作りを苗代から始め,夏野菜を植え収穫,その野菜を使って調理し,地域の方と一緒に食事会を行うことや,さらに12月にはきねで餅をつくなど,年間を通した農業体験に加え,とんど,茶道などの伝統的な文化を継承する活動にも取り組んでいます。これらの学校では,これまでも通学区域内だけでなく,入学・
転入学希望者を
通学区域外からも募集しており,両校の教育活動に賛同する多くの児童生徒が入学し,卒業しています。
さて,同じように戸山,
阿戸小中一貫教育校においても特色ある教育活動を展開しています。その
戸山小中一貫教育校では
戸山ESD学習を,
阿戸小中一貫教育校では
ふるさと未来科を設定し,米作りや
特産物栽培などの農業体験,地域の川や地域に伝わる神楽,祭りについての学習など,自然の恵みや地域資源を生かした学習を展開しています。また,これらの授業には,地域の方々が指導者として参加しておられ,町ぐるみで子供たちの成長を見守り,学校の取組を盛り上げていただいています。
そうした教育方針に賛同する入学・
転入学希望者を,今年度から対象者を拡大し,
通学区域外からも募集を開始しました。しかしながら,このように戸山,
阿戸小中一貫教育校において特色ある教育活動が実施されているにもかかわらず,今年度の
通学区域外からの転入学者は両校で中学1年生で3名,中学3年生で1名のみであり,小学1年生はゼロでありました。大変に残念ではありますが,その現状を真摯に受け止め,次への糧にしなければなりません。
そこでお伺いします。児童生徒や親御さんへ
小中一貫教育校の特色ある教育環境について,これまでどのように周知されてきたのでしょうか。また,来年度入学・
転入学希望者を募るためにどのような取組を考えておられるのか,本市のお考えをお聞かせください。
ところで,学区外からの入学を希望している児童生徒にとって通学に要する距離や時間の問題が高いハードルとなり,入学させたいけれど断念される方もいらっしゃるのではないかと危惧しています。確かにこの3校は,
公共交通インフラが脆弱な地域であることは共通の課題であります。その上で,ハード面である物理的距離を縮めることはできなくても,まずはそれをソフト面で上回る魅力的な価値を高めることが大変重要であります。そうした中,先生方を中心に保護者,そして地域の皆さんが一体となって魅力ある
学校づくりに尽力いただいています。
そこでお尋ねします。これまで学区外から入学を認められた児童生徒の通学費は自己負担になっていますが,せめて学区内の基準範囲内に準じて
遠距離通学費補助の対象に拡大してはどうかと思いますが,御所見をお聞かせください。
地域課題でもある公共交通のバス路線や便数,また新しい
地域交通体系などは今後,学区外から通学する児童生徒の実情も考慮しながら,学校を中心に,地域と立体的な検討をしていただきますよう要望いたします。
加えて
似島小中一貫教育校では小・中の校舎それぞれに職員室があり,しかも小学校と中学校の校舎が約200メートル離れていることから,先生方が知り得た児童生徒のリアルな情報を
小・中学校間で日常的にやり取りしたり,共有したりすることが難しい環境であることが分かりました。そこで先生方が一堂に集まる職員室が必要であると思い,両校舎の中間に
本部棟的教職員室の増築を要望いたします。
次に,魅力ある
市立高校づくりについて質問いたします。
本市には,基町,舟入,沼田,美鈴が丘の
普通科高校と広島商業,広島工業の専門高校,定時制と通信制を併設した広島み
らい創生高校,
中高一貫校の
広島中等教育学校の合計8校を設置しています。それぞれの高校で特色を生かした教育を推進しておられますが,中でも
普通科高校の特色として基町には
創造表現コース,舟入には
国際コミュニケーションコース,沼田には
体育コースを設置しており,各校それぞれが輝かしい実績を上げられておられます。
こうした中,昨今,
文部科学省は,「『令和の
日本型学校教育』の構築を目指して」の答申の中で,各高校が特色・魅力ある教育をより一層推進するよう求めており,広島市教育大綱においては,普通科の特色化・魅力化に取り組むことが明確に示されています。さらに今年度は,市立高校の将来構想である広島市
ハイスクールビジョンとその行動計画である
ハイスクールビジョン推進プログラムの
中間見直しに当たり,今後の市立高校にとって大変重要な時期に差しかかっていると私は考えます。なぜなら,本ビジョンが策定された5年前と比べ,現在の本市の魅力ある
高校づくりを取り巻く環境は大きく変容しているからです。
申すまでもなく,少子化が加速する今,私立高校では近年,男女共学の開始や学校設備の拡充,さらに運動部,文化部の活動や
特進コースの設置など,特色ある学校運営に生徒,保護者からも人気が高まっています。それに加え,私立高校の教育費への
就学支援金や
授業料等軽減補助金等により,授業料に対しての抵抗感も薄まったことも追い風になっています。このように変化している現在,これまでは生徒を受け入れる高校から,これからは生徒から選ばれる高校へと新たな局面に立っている中,魅力ある
高校づくりは,
学校教育関係の従事者だけでなく,本市行政の真価が問われる喫緊の課題であるように思えてなりません。
普通科高校の魅力,特色を考えるなら,
普通科コースはより一層の魅力化,特色化に工夫が必要です。例えば
体育コースであれば,
専攻実技種目の拡充や
コース入学定員の抜本的な見直し等が必要であると考えます。
そこでお尋ねします。このような高校教育を取り巻く環境の変化の中で,本市が目指す魅力ある市立高校の方向性をお聞かせください。また,広島市
ハイスクールビジョン中間見直しをどのように行おうとされているのか,お聞かせください。
次に,
地域活動支援センターⅢ型についてお伺いします。
この
地域活動支援センターⅢ型は,障害のある15歳以上の方を対象とし,創作活動または生産活動の機会の提供や社会との交流の促進等,便宜の供与を行う施設であり,障害者の地域における自立した生活を支える上で重要な取組であります。そして本市でも
障害者就労支援として
地域活動支援センターⅢ型のほかに,雇用契約を結び最低保障があるかないかで
就労継続支援A型や
就労継続支援B型の取組も行われています。
そこでお伺いします。改めて,それぞれの事業形態の違いがある中で,
地域活動支援センターⅢ型の
運営事業者数は平成23年度において43か所でありましたが,現在,本市には何か所ありますか。また,本市は
地域活動支援センターⅢ型事業をどのように考えているのか,お聞かせください。
さて,令和3年度
障害福祉サービス等報酬改定の見直しが行われ,
就労継続支援A型や
就労継続支援B型も対象となっています。
そこでお伺いします。今年度に
障害福祉サービスの報酬改定があったが,
就労継続支援B型事業の報酬がどのように変わったのか,お聞かせください。また,
地域活動支援センターⅢ型事業の運用は見直しが行われてきたが,補助金額の見直しは行わないのか,教えてください。
さて,
地域活動支援センターⅢ型事業の課題は,利用者の出欠席で報酬が左右される不安定な経営状況であることや,平成26年と令和元年の2回の
消費税アップが補助金額に反映されていないことなど,経営資源の乏しいことが影響し,後継者の人材育成もままならないことも含む多くの課題を抱えています。しかしながら,事業者の皆さんは利用者の成長や生きがいのためという志を胸に,その運営課題の悩みを抱えながら,
地域活動支援センターⅢ型事業を続けられています。このような実情を踏まえ,
地域活動支援センターⅢ型への支援の拡充だけでなく,事業運営のサポートなど,事業者に寄り添っていただきますよう要望いたします。
次に,安佐勤労青少年ホーム閉館後の建物の施設利用について質問いたします。
今年度で閉館する広島市勤労青少年ホームの施設は,中区の中央勤労青少年ホーム,佐伯区の佐伯勤労青少年ホーム,そして安佐南区の安佐勤労青少年ホームの3館であります。さて,この施設の目的は,働く青少年のため,日々の自由時間において憩いやレクリエーション,グループ活動等の健全な余暇活動の場を提供するとともに,それらの勤労青少年に対する相談・指導,文化・教育講座を実施するなど,勤労青少年の健全な育成と福祉の増進を図ることであり,こうしたことに関する事業を総合的に行ってきましたが,社会情勢の変化によりその役割を終え,閉館の運びとなりました。そこで閉館後の建物部分の施設の取扱いとして,中央勤労青少年ホームについては老朽化のため閉鎖,佐伯勤労青少年ホームについては合築施設である五日市公民館に統合される予定と伺っています。しかし,安佐勤労青少年ホームについては,令和3年1月21日付の勤労青少年ホームに係る今後の在り方検討では,ほかの用途変更等を検討するとありました。
そこでお伺いします。安佐勤労青少年ホーム閉館後の建物利用について,どのように考えているのか,お聞かせください。
この安佐勤労青少年ホームは三つの勤労青少年ホームの中で一番新しく,建物は鉄筋コンクリート造りの地下一階,地上二階建て,そして駐車スペースは40台あります。さらに館内には体育室やホール,また,音楽室や調理室などを含め13室,エレベーターや屋外からのスロープもあり,バリアフリーに対応した施設環境でもあります。このような公共施設が行政目的の役割を終えようとしている今,市民の皆様の生活をよりよくするために,地域の活性化に資する活用を検討いただきますよう,要望いたします。
大雨災害から市民を守る。未来を担う広島の子供たちに,よりよい学びの環境を提供する。市立高校の魅力,特色ある
高校づくりの強化。障害を持つ方々の自立支援体制へのさらなる事業継続サポート。そして広島市の大切なスペースである公共施設の時代のニーズに即した新たなアイデアなど。これからも市民の目線で行動していただける本市であることを熱望し,以上で私の一般を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○山田春男 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 川本議員の御質問にお答えいたします。
令和3年8月大雨災害についてのうち,本市として砂防堰堤の整備を促進するための側面的取組についての御質問がございました。
砂防堰堤の整備は,国土を保全し,市民生活の安全・安心を支える極めて重要な施設であることなどから,砂防法において,県及び国において行うものとされております。そのため,本市は,砂防堰堤の整備については,国・県への毎年の要望はもとより,災害発生時にも機を逃すことなく,国土交通大臣等に向けて緊急かつ迅速な整備促進の要望をしてきているところであります。実際,平成26年8月,平成30年7月の過去2回の豪雨災害の対応に当たっても,国・県にしっかりと要望を行うことで,8月末時点で国は49基,また県においても18基の砂防堰堤を整備されてきておるところであります。また,このたびの8月の大雨災害についても,本市の要望を踏まえ,現在,国・県において砂防堰堤内の堆積土砂を迅速に撤去していただいているところであります。
今後は,財政制約の中にあっても砂防堰堤の整備が一層確実に進められるようにするために,国・県の役割の強化など,砂防堰堤の整備促進につながる事業制度の改正を視野に入れた国への要望を具体化していきたいと考えております。
なお,砂防堰堤については,整備事業そのものが円滑に進められるようにすることも重要であることから,本市としては,事業実施段階における関係住民への協力要請などをこれまで以上に国・県と連携して取り組んでまいります。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○山田春男 議長
経済観光局長。
◎津村浩
経済観光局長 令和3年8月大雨災害についてのうち,治山堰堤,
農業用ため池,また,林地開発に関する数点の御質問に順次お答えいたします。
まず,本市には治山堰堤が何基設置されているか,また,治山堰堤の土砂や流木の堆積状況によっては,土砂の撤去や堰堤の補強なども必要と考えられるが,県はどのように対処していくのかについてです。
治山堰堤は,森林法に規定する保安施設として,広島県が事業主体となり整備しているものです。現在,本市域内には916基が設置されています。治山堰堤は,議員御指摘のとおり,土砂が堆積すれば,そこに植生が再生し,その目的を果たすことになりますが,県では,土砂や流木が堰堤より上に異常堆積し,下流地域への被害の可能性や緊急性がある場合に地権者の同意を得て撤去を行っていると聞いています。また,堰堤の補強については,ひび割れが発生している堰堤はモルタル注入等のクラック補修工事を,一部が破損した堰堤は増厚等の補強工事を行っていると聞いています。本市としましては,市民からの要望等により土砂の撤去や堰堤の補強の必要性を確認した際には,速やかに県へ報告するなど,県と協力しながら対応していきます。
次に,本市には
農業用ため池が何か所あるか,また,現在使用していないため池の数は把握しているか,さらに使用していないため池については,防災・減災上の観点から適切に管理していくことが重要と考えるが,本市ではどのように対応していくのかについてです。
農業用ため池は農業用水を供給する施設であり,現在,本市域内には387か所あります。そのうち,現在使用していないため池は19か所あります。
農業用ため池は,議員御指摘のとおり,利用されなくなり放置されると堤体,いわゆる堤に木が茂り,脆弱となることで決壊リスクが高まります。このため,農業用水としての利用がないため池については,所有者や耕作者等の同意を得ながら,順次,県の施工による掘り割り及び排水路設置工事を経て廃止していくこととしています。これには時間を要することから,廃止までの間は,本市からため池管理者に対し,水をためないよう日常の管理をお願いするとともに,毎年,梅雨前には決壊の防止の措置を周知し,必要な助言・指導を行っているところであり,今後ともこうした対応を確実に行っていくことにより,防災・減災に努めていきたいと考えています。
次に,本市域内において,現在,
林地開発許可に基づき開発行為を行っている件数は何件あるか,そのうち,土砂埋立てを目的とした件数は何件あるかについてです。
林地開発許可は,森林法に基づき面積が1ヘクタールを超える開発行為を行う際に,災害を発生させるおそれがないなどの要件を満たす場合に許可を行うものです。現在,本市域内において,
林地開発許可に基づき開発行為を行っている件数は23件であり,そのうち,土砂埋立てを目的とした開発行為は6件です。
最後に,
林地開発許可の内容が適正に行われ,安全に施工されているかを確認するため,許可後に現地調査を行うのか,また,先日の大雨の際に,
林地開発許可に基づき開発行為を行っている箇所において,土砂災害は発生していないのかについてです。
林地開発許可制度では,開発行為による災害を未然に防ぐとともに,安全性を確保するため,排水施設や洪水調整池などの防災施設の設置を許可の要件としています。本市では,
林地開発許可を行った箇所について,こうした許可要件が守られているかどうかを確認するため,定期的に現地調査を行っています。その中で,事業計画に沿って適正に工事が行われているか,また,災害が発生しないよう,適切に防災施設が設置されているか等について確認し,改善の必要がある場合には事業者に対して指導を行っています。また,本市域内で現在,
林地開発許可に基づき開発行為を行っている箇所について,本年8月の大雨の後に現地確認を行った結果,土砂災害の発生はありませんでした。今後とも,許可に当たって適正に審査を行うとともに,許可後についても許可要件の遵守の確認や指導を適切に行うなど,
林地開発許可制度の適正な運用に努めてまいります。
以上でございます。
○山田春男 議長
下水道局長。
◎油野裕和
下水道局長 令和3年8月大雨災害についての御質問のうち,三点について順次お答えいたします。
まず最初に,本市域内において国が整備した砂防堰堤は何基かについてです。
国では平成11年6月29日の土砂災害を契機として,土石流による人的被害,家屋被害,重要な交通網の分断などの被害を軽減することを目的として,平成13年度から国直轄の砂防事業を開始しており,令和3年8月末時点において本市域内に123基の砂防堰堤を整備していると国から聞いています。
次に,今回の大雨により国の砂防堰堤等が土砂を受け止め,住宅団地への流出を防いだと聞いたが,その砂防堰堤の場所はどこかについてです。
令和3年8月11日からの大雨により発生した土石流を捕捉した国の砂防堰堤は,安佐南区相田七丁目の1基,緑井八丁目の1基及び大町西二丁目の2基の合計4基です。これら4基の砂防堰堤については,土砂等の捕捉に伴い大量の土砂等が堆積しているため,国において撤去を進めているところです。
最後に,鳴谷川の急峻な谷から土石流が発生し,下流地域に住む方々は心配されている。今後,鳴谷川の対応についてどのように考えているのかについてです。
本市では,土石流が発生した鳴谷川の応急対策として,発災直後から河川に堆積した土砂等の撤去を早急に開始し,先月末でおおむね完了したところです。引き続き民有地に流れ込んだ土砂等についても土地所有者からの同意の下,撤去する予定です。また,本市では今回の土石流等の発生を受け,県知事に対して,砂防堰堤に堆積した土砂等の早期撤去と保全とともに,鳴谷川を含めた砂防堰堤の整備促進について緊急の要望書を提出しています。これに対し県からは,要望書の趣旨を踏まえ,砂防事業の実施について国と協議を進めたい旨の回答がありました。本市としては,土砂災害から人命を守り,安心して暮らせる地域とするため,速やかな砂防堰堤の整備が図られるよう,引き続き国に対し強く要望していきたいと考えています。
以上でございます。
○山田春男 議長 教育長。
◎糸山隆 教育長
小中一貫教育校に関して,まず二点お答えをいたします。
小中一貫教育校の特色ある教育活動について,これまでどのように周知してきたのか,また,来年度入学・
転入学希望者を募るためにどのような取組を考えているのかというお尋ねについてです。
教育委員会では,昨年度,
小中一貫教育校の概要や入学・転入学の申込方法等を記載したリーフレットを作成し,市立全
小・中学校,市内の私立・公立の幼稚園・保育園等に配布するとともに,広島市立中学校ガイドブックに
小中一貫教育校について記載し,市内の小学校第6学年全員に配布をいたしました。また,各
小中一貫教育校が学校説明会を開催し,参加をした子供や保護者に対し,教育方針やふるさと科の取組などの特色ある教育活動の説明を行っております。来年度に向けては,これまでの取組に加え,広報紙「市民と市政」に
小中一貫教育校の教育活動の特色や具体的な活動内容等を掲載するとともに,今年度,各学校が新たに取り組むオンラインを使った他校との交流事業や地域資源を活用した体験活動など,児童生徒が意欲的に取り組んでいる様子をSNSやホームページ等で積極的に発信し,
小中一貫教育校の魅力を伝えてまいります。
次に,入学・
転入学希望者を増やす方策として,遠距離通学費の基準に準じた補助対象にできないかというお尋ねについてです。
義務教育においては,学校教育法施行令に基づき,指定学区の
小・中学校に通学することが基本とされており,本市ではこれを前提として,一定の通学距離以上の場合,補助制度を設けているところです。このため,御指摘の通学費の助成については,中山間地域における地域活性化のための通学者増加の必要性などの観点から,別途,関係部局と連携して研究をしたいと考えております。
最後に,魅力ある
市立高校づくりについて,本市が目指す魅力ある
市立高校づくりの方向性はどうか,また,広島市
ハイスクールビジョンの
中間見直しをどのように行おうとしているのかという御質問についてです。
本市が目指す魅力ある市立高等
学校づくりの方向性については,平成28年度に策定した広島市
ハイスクールビジョンにおいて,「志高く,世界に誇れるまちHiroshimaを創造する人材」を育成していくため,グローバル化や情報化などの時代の変化に対応し,生徒一人一人の多様なニーズに応じた特色ある教育を実現することとしております。このたびの広島市
ハイスクールビジョンの
中間見直しについては,この方向性は堅持しつつ,普通科の特色化・魅力化など,新しい時代に対応した高等学校教育に関する国の方針や第6次広島市基本計画に掲げた地域共生社会の形成,平和文化の振興など,本市のまちづくりの方向性を踏まえて検討を行うこととしております。
また,各学校ごとの魅力づくりの行動計画を示した
ハイスクールビジョン推進プログラムについては,現在,教育委員会と学校が連携し,取組の成果と課題の検証を行っているところであり,今後その結果を踏まえ,
普通科コースの充実等を含め,その見直しを進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○山田春男 議長
健康福祉局長。
◎山本直樹
健康福祉局長 地域活動支援センターⅢ型についての御質問についてお答えいたします。
まず,本市の
地域活動支援センターⅢ型事業所は現在何か所あるか,また,広島市はこのⅢ型事業をどのように考えているのかについてです。
地域活動支援センターⅢ型は,障害者の一般就労を促進するための法律であります障害者自立支援法が平成18年10月に施行された際に,一般就労が困難な障害者向けの通所施設も引き続き必要であることから導入されたものでございまして,現在,市内にはこの施設を運営する事業所が19か所あります。この施設は,障害の特性等に応じた居場所や地域との交流の場を確保するためのものですが,近年,就労訓練を主体としたサービスが重視される中で,
就労継続支援B型に移行する施設が増えております。本市としては,この
就労継続支援B型への着実な移行による障害者の自立促進は重要であると考えておりますが,一般就労が困難な障害者につきましては,実情に応じた取組が必要であると考えており,
地域活動支援センターⅢ型が引き続き円滑に運営されるよう努めてまいりたいと考えております。
次に,今年度の
障害福祉サービスの報酬改定において,
就労継続支援B型事業の報酬はどのように変わったのか,また,
地域活動支援センターⅢ型事業の補助金の見直しは行わないのかについてです。
今年度の
就労継続支援B型に係る報酬改定におきましては,賃金の支給額が少ない事業所への報酬が引き上げられるよう,平均工賃月額の体系が改められるとともに,地域住民等と協働した生産活動やピアサポートも就労訓練の一環として認められるようになりました。
地域活動支援センターⅢ型事業の補助金につきましては,本市において短時間の利用であっても補助対象にするなどの見直しを行ってきておりますが,このたびの国による報酬改定はⅢ型事業から
就労継続支援B型事業への移行を重視するためのものであることから,移行を希望される事業所をしっかり支援していきたいと考えております。
なお,
地域活動支援センターⅢ型事業につきましては,引き続き書類作成等に係る事務サポートや各種相談など,実情に応じた支援を行ってまいります。
以上でございます。
○山田春男 議長
経済観光局長。
◎津村浩
経済観光局長 安佐勤労青少年ホーム閉館後の建物の利用についてどのように考えているのかについてお答えいたします。
令和3年度末で閉館することとしている安佐勤労青少年ホームの建物については,建築後40年が経過して老朽化が進んでいることに加え,耐震診断の結果,所要の耐震性能を下回っていることが判明しています。こうしたことを前提に,他部局において建物を他の用途に利用する希望があれば,当該部署に引き継いで利用してもらうことになると考えていますが,本年4月に庁内照会したところ,その時点では利用希望はありませんでした。
今後,改めて庁内照会を行うとともに,国及び県に対しても利用希望の有無を照会した上で,いずれからも希望がない場合には,敷地を含めた売却をしたいと考えています。
以上でございます。
○山田春男 議長 2番川本議員。
◆2番(
川本和弘議員) 御答弁,大変にありがとうございました。何点か要望させていただきます。
まず初めに,令和3年8月大雨災害について,松井市長の答弁をいただき,ありがとうございました。激甚化,頻発化する豪雨により,防災・減災に効果がある砂防堰堤の整備強化を,赤羽国土交通大臣に直接要望書を渡されたとお聞きしました。赤羽大臣は,御承知のとおり,公明党の議員でありますので,我が公明党会派も松井市長が要望された項目に対してしっかりサポートしてまいります。よろしくお願いいたします。
砂防堰堤事業は国・県の事業であることから,これまで以上に国・県と連携していくと強いお気持ちのほうもお聞きしました。本市は裏方で目立ちませんが,市民の安心・安全を支える施設整備促進のため,よろしくお願いいたします。
また,
地域活動支援センターⅢ型事業について,さらに安佐勤労青少年ホーム閉館後の建物利用について御答弁ありがとうございました。二つの項目については,さきの質問で要望いたしましたので,その点をよろしくお願いいたします。
特色ある
小中一貫教育校の周知の強化についてですが,新たな取組を具体的に御答弁いただき,ありがとうございました。継続して周知の広報をお願いいたします。
そこで一つ要望いたします。似島
小・中学校や
筒瀬小学校で行っています児童生徒の体験入学を,再来年度の入学生に対して戸山,
阿戸小中一貫教育校でも取り入れたらどうかと思います。それを要望いたします。どうかよろしくお願いいたします。
最後に,魅力ある
市立高校づくりについてですが,特色を生かしたコースの中に沼田高校の
体育コースがあります。平成2年からスタートしましたので,30年を過ぎました。勝負の世界は大変厳しいものがあります。いいときもあれば,悪いときもあります。ちょうど今,成果がなかなか出にくい時期に差しかかっているのかもしれません。そこで本市も改めて原点,開設の当初に返って大情熱を傾けていただきたいと要望いたしまして,私の質問を終わります。
以上です。ありがとうございました。
○山田春男 議長 次に,31番母谷龍典議員。
〔31番母谷龍典議員登壇〕(拍手)
◆31番(母谷龍典議員) 皆さん,おはようございます。
自民党・市民クラブの母谷でございます。一般質問の機会を与えていただき,感謝をしながら,奨学金制度というテーマについて少々お時間を頂戴したいと思います。しばらくの間,御清聴をお願いいたします。
近年,広島市においても,数々の災害が発生し,復旧・復興,生活再建を急いでおりますが,その上,新型コロナウイルスの感染拡大で終息が見通せない中で,市民生活はさらなる困難を極めております。こうした中,中小企業支援が叫ばれ,雇用調整助成金,持続化給付金など,国の制度は一定の雇用を守り,機能しているように見えますが,少人数の事業所や個人商店などでは業績を直撃し,生活そのものを見直さなければならない人や困窮者がいらっしゃいます。皆さんも経験がおありのように,今の時代,子供を育てる親は大変です。とりわけ子供にかかる教育費は何をおいても真っ先に確保しなければならないと思うのが親の気持ちです。
昨年の2020年4月から私立高校の
就学支援金制度が改正され,高校授業料の実質無償化が始まりました。
就学支援金の上限額が従前の支給額から引き上げられたものですが,私立高校に通う子供のいる家庭でこの制度の対象となるには一定の所得制限があります。所得制限ぎりぎりの年収600万円あたりの人は大変です。制度改正の対象外となった家庭では,引上げ後の上限額と比べ3分の1程度しか支給されず,その差額を負担しなければなりません。高校進学,専修学校,大学進学など,様々な教育機会や就学機会を捉え,奨学金制度の利用を必要とする人がいます。現在,広島市が関係する奨学金制度は,広島市教育振興会奨学金というものがあります。これは市内の定時制高校と看護専門学校を対象に限定したもので,全日制や大学進学等を対象とする制度とはなっていないのが現実です。
私は,広島市に住む親と子が差額を負担する経済的理由によって進学を諦めることがあってはならないし,中途退学を余儀なくされるということがあってもならないと思うのであります。また,公立高校であっても,クラブ活動,修学旅行,副教材など,学校生活を送るためにはもろもろの費用が必要です。大学入学時にはもっと高額な入学金や授業料を負担しなければならなくなります。どんなときも学習意欲のある人が安心して生活し学習できる教育のセーフティーネットを用意する必要はありませんか。所得の差によって,そのチャンスを逃すようなことがあってはならないと思います。現状に鑑み,奨学金制度を新たな時代にふさわしい内容に充実させる必要があると思いますが,どのようにお考えですか,お尋ねいたします。
民間にそうした基金や制度があることは重々承知をいたしております。広島市民でよかったと思える身近な制度を用意しておきたいとの思いから,質問をさせていただきました。ぜひとも御一考いただければ幸いであります。
以上で質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○山田春男 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 母谷議員からの御質問にお答えいたします。
奨学金制度についてのうち,学習意欲のある人が安心して生活し学習できる高等学校教育のセーフティーネットについての御質問がございました。
国においては,家庭の経済状況にかかわらず,誰もが高等学校教育を受けられるようにする観点から,平成22年度に私立高等学校等を対象に,一定の所得要件の下で,高等学校等授業料の実質無償化に向けて高等学校等
就学支援金制度を創設し,平成26年度には公立高等学校も適用対象としたところであります。令和2年度にはさらに実質無償化を進めていくために,私立高等学校等の給付額の引上げが行われたところでありますが,この引上げに関しては,議員御指摘のように,年収が590万円以上の世帯の場合は対象外とされたことから,従来どおりの支給しか受けられず,引上げの効果を受ける方との差が月額にして2万数千円になるというふうな状況にあります。子供たちの誰もが家庭の経済状況にかかわらず,未来に希望を持ち,それぞれの夢に向かって学び続けることができる環境を整えることは重要でありますが,高等学校等授業料の実質無償化に当たっては,それが国から給付されるものであっても,国民が負担する税金などと同様に公平性の確保に十分留意するといった視点も不可欠であると考えます。
いずれにしても,高等学校教育における奨学金制度については,国において責任を持って措置されるべきものであり,議員の御指摘も踏まえながら,今後,機会を捉えて子育て家庭の経済的負担の軽減について適切に措置されるよう,国に要望してまいりたいと考えます。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○山田春男 議長 教育長。
◎糸山隆 教育長 奨学金制度を新たな時代にふさわしい内容に充実させる必要があると思うがどうかという御質問です。
議員から御紹介がありました広島市教育振興会奨学金は,一般財団法人広島市教育振興会が,市民等からの寄附を財源に,働きながら学ぶ子供たちを支援したいという寄附者の思いを受け,毎年度,市内の定時制高等学校や看護専門学校に通う40名程度の学生を対象に月額8,000円の奨学金を給付しているものです。当該奨学金の充実については,基金残高にも限りがある中で,制度の在り方や新たな寄附の確保などについて,今後,一般財団法人広島市教育振興会の評議員や理事と協議していきたいと考えております。
以上でございます。
○山田春男 議長 31番母谷議員。
◆31番(母谷龍典議員) 奨学金制度は,民間に,あるいは国をはじめとして,たくさん,もう数え切れないほどあることはよく分かりますし,地方自治体においても決まったものはなくて,みんなばらばらですね,はっきりと言って。決まったものはないので,広島市の今あるものをすぐどうこうできると私も思ってはいませんけれども,現実は公立高校の場合はある程度いいんだと思いますけれども,私立の高校に行かれた方は,ここに最大で年額39万6000円,支援金が交付されるということになっていますけれども,590万円以上910万円未満の方は所得制限を超えているために11万8800円の支援金しか受けられないということが,先ほど申し上げた3分の1程度というところになるかと思います。先ほど市長からは月額の御紹介をいただいたんですけれども,その差額は年額では27万7200円になると思います。これはお子さんが一人の場合にそうなりますので,お二人おられたら掛ける2,3人おられたら掛ける3,当然こういうことになるわけですけれども,その所得制限ぎりぎりの方は,そこから市民税や,あるいは所得税やいろいろな法定控除を引かれて,可処分所得という現実の問題に直面すると,400万円台になったり,450万円あたりのところになる。苦しい生活をされているのではないかという方がたくさんいらっしゃるというふうに私は思っております。
先ほども御紹介しましたように,広島市においても災害があったり,コロナ禍ということで離職をしなければならなくなった方あるいは減収になった方がたくさんいらっしゃると思うんですね。そうした方々も,皆さんが自分の生活を細々とでも家庭の幸せを見つけながら少しずつ前に進んでいかれて,経済的な問題を考えて,子供さんと親御さんが相談をされて進路を決められたり,いろんな方向になると思います。高校生もそうですけれど,大学生になったらもっと大変ですよね,本当に。
そういったところで決まったものはないんですけれども,身近な広島市として,広島市にそういう制度があったらいいなというふうに皆さん思っておられるというふうに私は思いまして,今回,この質問をさせていただいたんですけれども,ささやかな生活を皆さんがされていて,苦しい災害やコロナ禍の後での生活の中で,行政の皆さんにもそうしたことを忘れないで,見ていただいていることは分かっておりますけれども,もう少し見ていただけたらありがたいなと思いますし,私は,個人的にはそうした法律の網の目から漏れるようなことが時々ある,市民の皆さんのために働くのが市議会議員であるし,そうした問題に取り組むのが市議会であるというふうに固く信じておりまして,このことがすぐ実現するとは思いませんけれども,そうした中で少しでも市民生活が安定していけるように,少しでも夢と希望を持って生きていけるような広島市であってほしいなというふうに思いまして,今回のようなことになりました。行政の皆さんにもそうしたことに心を少し,少しだけ応えていただいてということをお願いさせていただいて,質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○山田春男 議長 以上で一般質問を終わります。
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休憩宣告
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○山田春男 議長 この際,暫時休憩いたします。
午前11時04分休憩
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午後1時02分開議
出席議員 29名
欠席議員 25名
○山田春男 議長 出席議員29名であります。
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開議宣告
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○山田春男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
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△日程第2┌自第 92号議案 令和3年度広島市
一般会計補正予算(第6号)
┤
└至第107号議案 契約の締結について
(
西風新都環状線善當寺工区第二橋りょう(仮称)下部工事(その1))
┌自第110号議案 専決処分の承認について
┤ (令和3年度広島市
一般会計補正予算(第5号))
└至第114号議案 令和3年度広島市
開発事業特別会計補正予算(第1号)
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○山田春男 議長 日程第2,第92号議案から第107号議案及び第110号議案から第114号議案を一括議題といたします。
これより質疑に入ります。
発言通告者に順次発言を許します。
34番馬庭恭子議員。
〔34番馬庭恭子議員登壇〕
◆34番(馬庭恭子議員) 市政改革・無党派クラブの馬庭恭子です。
第106号議案,契約の締結についての質疑を行います。
広島市には,市民の税金で造った市民屋内プールとして現在11か所があります。50メートルのプールとして1か所,残りの10か所は25メートルとなっています。また,それぞれの築年数は44年から13年とばらつきがあり,築年数が30年を経過するものが6か所あります。
今回の議案の吉島屋内プールは,今ある位置からワンブロック,直線で300メートル移動して新設されるものです。締結額は7億5350万円となっています。内訳は,建屋が約5億5000万円,プール部分が約2億円と聞いています。
そこでお尋ねいたします。この吉島屋内プールは二階建ての建築となっています。これだけでは全てを含む予算ではないと思います。結果,設備工事などを含むと総額幾らかかるのか,お答えください。
設計図を見ると,2階部分は多目的に使える部屋などがあります。これは吉島老人いこいの家を廃止し,その機能を2階に集約するためと聞いています。現在,指定管理者は,吉島屋内プールは公益財団法人広島市スポーツ協会,吉島老人いこいの家はNPO法人ワーカーズコープとなっています。スポーツ振興と高齢者支援をはじめ地域交流では,それぞれ対象者へのアプローチが異なると思いますが,指定管理はどうなるのか,お答えください。
次に,新築する吉島屋内プールは可動床を導入すると聞いています。水深を用途に合わせて調節できるというメリットがあります。現在,この可動床を導入しているのは出島屋内プールのみです。しかし,可動床は使い方によりたわみが来たり,足の指が挟まれたりと様々な事故が報告されています。また,メンテナンスも必要でお金がかかります。新設する吉島屋内プールは用途別に既に水深の低いレーンが用意されています。可動床のある南区の出島屋内プールと新設される中区の吉島屋内プールは,車で5分という距離です。果たして可動床の設備が本当に必要なのでしょうか。今後,市内にある屋内プールは,この可動床を積極的に導入する方針なのか,可動床を導入しないのか,何をもって判断されるのか,お答えください。
また,中区には県の屋内プール,民間運営のプールなど,選択肢は数多くあります。しかし,中区以外の各区のスポーツセンターのプールは,スポーツセンターに付随しており,単独で動かすことはできません。耐震化と改修しかないと思いますが,今後,少子化・高齢化の中で財政も厳しい中,現地での耐震化,プール改修の議論はなかったのか。その他の屋内プールの在り方をはじめ,スポーツ振興の中で屋内プールがどう議論され,吉島屋内プールの移転・新築と可動床導入が決定されたのか,その経緯を教えてください。
また,移動後の施設解体費,跡地の活用はどうなっていますか,お答えください。
以上です。
○山田春男 議長 市民局長。
◎杉山朗 市民局長 第106号議案,契約の締結についての数点の御質問にお答えします。吉島屋内プール新築工事についての御質問でございます。
まず,吉島屋内プールは二階建ての建物となっているが,設備工事費等を含めた総額は幾らなのかについてです。
新吉島屋内プールの総事業費は13億2258万円を予定しております。その内訳は,令和2年度の実施設計に要する経費として4520万円,令和3年度,4年度の工事費等として12億7738万円を計上しています。このうち,新築工事に係る契約金額7億5350万円につきまして,今回,議案としてお諮りしているものでございます。
次に,2階部分に整備される多目的に使用できる部分については,高齢者支援をはじめ,スポーツ振興とは異なるアプローチが必要と思われるが,指定管理はどうなるのかという御質問でございます。
吉島屋内プールについては,中工場の建て替えに伴う地域環境整備として,平成12年に本市と地元とが締結した確認書において建て替える旨を回答しており,当初は吉島老人いこいの家との一体整備を計画しておりました。その後の議論の中で,吉島老人いこいの家は廃止する方針となりましたが,地元から施設の有効活用を図り,子供と高齢者などと分けることなく,コミュニケーションが図れる場にしたいとの要望がございまして,これを踏まえ,吉島屋内プール施設内に多目的室を整備することにしたものです。指定管理者については現在,広島市スポーツ協会を予定しておりますけれども,この多目的室の活用につきましては,指定管理者に多世代を対象としたスポーツ教室を開催してもらうほか,地元において地域のコミュニティー活動に資する活用がなされるものと考えております。
次に,吉島屋内プールは,水深を用途に合わせて調節できる可動床を導入すると聞いているが,今後,市内の屋内プールにこの可動床を積極的に導入していくのか,また,可動床の導入は何をもって判断するのかについてです。
屋内プールへの可動床の導入は出島屋内プールに続いて2例目となるものであり,吉島屋内プールへは多様な世代が水泳,水中歩行,エクササイズといった用途に広く利用できること,また,中工場の建て替えに伴う地域環境整備として地元の要望を受けたことから導入をするものです。他の屋内プール施設への導入については,改修工事の規模や内容,プールの利用者数,利用形態などを踏まえて個別に判断を行うことになると考えています。
次に,今後,少子高齢化が進み,財政状況の厳しい中,屋内プールの在り方がどう議論され,吉島屋内プールの移転・新築,可動床の導入が決定されたのかについてです。
スポーツセンター等の屋内プール施設については,老朽化が進んでおりまして,本市が平成28年3月に策定した公共施設等の耐震化及び非構造部材の耐震対策方針にのっとり,平成28年度から順次,施設の耐震化に取り組んでいます。現吉島屋内プールは築後44年が経過し,老朽化が進んでいるほか,施設内の通路幅が狭隘であり,施設の構造上,耐震化工事を行うだけではバリアフリー化への対応が困難な施設となっています。また,平成12年に市と地元とで締結した確認書において屋内プールを整備する旨を回答したことに加え,建て替え中であっても施設を使用可能であること,旧中工場敷地に移転することで,中工場のごみ焼却の余熱を利用したプールへの温水供給設備の整備が容易に行えること,敷地内に駐車場も確保できることから,平成28年に旧中工場敷地に移転・建て替えすることを決定したものでございます。
可動床の導入の件につきましては,先ほど御答弁したとおりでございます。
以上でございます。
○山田春男 議長 34番馬庭議員。
◆34番(馬庭恭子議員) 答弁漏れかどうか分からないんですけれど,移動後の施設解体費,跡地活用もお尋ねしたんですが。
○山田春男 議長 市民局長。
◎杉山朗 市民局長 大変失礼いたしました。最後の御質問として,吉島屋内プールの解体費,跡地の活用についてどのように考えているかについてでございます。
解体費につきましては,現時点では見込んではおりません。
建物や跡地の活用につきましては,他部局において他の用途に利用する希望があれば,当該部署に引き継いで利用することを考えております。今後,庁内照会等を行い,希望がない場合には敷地を含めた売却を検討したいと考えております。
以上でございます。
○山田春男 議長 34番馬庭議員。
◆34番(馬庭恭子議員) 吉島屋内プールの設計図を見せてもらったら,水深がそれぞれもう決まっていて,可動床をつけなくても水深が低いところ,子供用のところも皆,用途別にきちっと書いてあるんですね。ほかのプールは一つのプールしかないので,水深を深くしたり,浅くしたりするのは,いろんな方が御利用になるんですけれども,吉島屋内プールの場合はもう初めからそういう設計がしてあって,わざわざ可動床をつけなくてもいいのではないかというふうに,この設計図を見たら簡単に思うんですけれども,この可動床が壊れた場合の責任,補償はどうなっていますか。
○山田春男 議長 市民局長。
◎杉山朗 市民局長 可動床の導入でございますけれども,子供から高齢者まで幅広い利用を目的としたものでございます。この可動床を導入することによりまして,短時間で容易に水深を変えることができますので,一日の中で午前,日中,夜間と,利用者の大人が多い世代,子供が多い世代に合わせまして水深を変えるということができるということで,非常に多目的な利用ができるものだと考えております。また,通常のプールでは水の蒸発を防ぐために利用終了後,蓋がけをしておりますけれども,今回,可動床を導入することで,この可動床が蓋になることで水の蒸発を防ぐことができることから,施設の劣化の抑制にもつながるというふうに考えております。可動床の補償につきましては,所定の補償期間については工事業者での補償になるものと理解しております。
以上でございます。
┌───┬─────────────────┬─────┬─────┬─────┐
│ 受理 │ 件 名 │ 受 理 │ 付 託 │付託委員会│
│ 番号 │ │ 年 月 日 │ 年 月 日 │ │
├───┼─────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 21 │広島市職員の「宣誓書」に憲法尊重擁│ 3. 9.14 │ 3. 9.14 │総務委員会│
│ │護に関する記載を追加することについ│ │ │ │
│ │て │ │ │ │
├───┼─────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 22 │来年度実施予定の就学援助認定基準改│ 3. 9.17 │ 3. 9.17 │文教委員会│
│ │定の再考を求めることについて │ │ │ │
├───┼─────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 23 │平和推進基本条例に即した厳粛な平和│ 3. 9.17 │ 3. 9.17 │建設委員会│
│ │記念式典の開催に伴う原爆ドーム前の│ │ │ │
│ │現状の解消について │ │ │ │
├───┼─────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 24 │平和推進基本条例に即した厳粛な平和│ 3. 9.17 │ 3. 9.17 │総務委員会│
│ │記念式典の開催について │ │ │ │
└───┴─────────────────┴─────┴─────┴─────┘
───────────────────────────────────────
議 長 山 田 春 男
署名者 田 中 勝
署名者 木 戸 経 康...